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かふぇ・かぷちの/新幻想的独り言4 ねふぁの気まぐれな独り言

最近Kickstarterが面白い。

Kickstarterとは「こう言う製品を作ろうと思うから、出資してー。出資してくれた人には製品が完成したら出資金額に応じてこんな特典をあげるよー」と言う資金集めの仕組みを提供しているサイトである。資金が集まらずに終了するもの、資金が集まるものの製品が完成しないもの、資金が集まり凄い製品が出るものなど様々である。

日本語でKickstarterに登場しているプロジェクトを紹介しているサイトもあり、どんな面白い物を作ろうとしているのか眺めるだけでも楽しい。

http://www.kickstarterfan.com/

カメラ搭載小型クアッドコプターで自動追尾してくれるZanoのプロジェクトも魅力的だ。

http://www.kickstarterfan.com/archives/4070

上手く製品化まで行けば3万円程度の出資金で手に入れる事が出来るが、果たしてこんな夢の様な製品が本当に完成するのだろうかと言う疑念もある。もちろん、ある程度プロジェクトが進んで完成間近になってから出資したり、製品化してから購入する事も出来る(ただし、出資期限や枠があり枠が埋まると締切。その後の製品販売もプロジェクトの人次第。後になる程価格は上がる)。

まぁ、kickstarterの基本は下記に纏められているので置いといて。

http://www.kickstarterfan.com/ordernotice

以前から3Dプリンターやレーザー加工機が欲しかったのだが、3Dプリンターはまだ高価だし材料費もかかるし場所も取るし3Dモデリングも勉強しないといけないし後数年は様子見、レーザー加工機は業務用で数十万以上するし馬鹿でかいしであきらめていた。

Kickstarterを眺めていると、最近(と言っても去年あたりから)レーザー加工機が幾つかプロジェクトとして出ている事を見つけた。しかも、小型で安い。残念ながら業務用のレーザー何十W出力までには程遠く100mw~2W程度の出力で紙の切断や木材、革への焼き入れ程度ではあるが、なかなか魅力的だ。本当はアクリル板を切断したいのだが、名前や絵を色々な素材に刻印したり素材によっては高精度で切断が出来るので楽しそうである。

今回いくつかあるKickstarter発のレーザー加工機で目を付けたのがMicroSlice。

https://www.kickstarter.com/projects/1008225922/the-microslice-a-mini-arduino-laser-cutter-and-eng

Kickstarterとしては既に終了しており、今は専用サイトでキットやパーツを販売している。

http://thelittlebox.co/theshop/index.php?route=common/home

素晴らしい事に、Kickstarterプロジェクト終了後も製品に改良を加えており、現在販売しているMicroSlice V2.5は当初5x5cmだった加工エリアが10x10cmに広がり、100~250mW出力だったレーザーがオプションで500mWまで選べる様になっており、さらに一定出力だったレーザーも出力調整機能が付いて濃淡のある絵を描けるようにまでなっている。

kit-500x500

上記the little boxのサイトからキットもしくは完成品を購入する事が出来る。キットの場合はすべてのパーツがバラの状態で送られてくるので、自分で説明書を見ながら組み上げる必要があるがその分安い。

フレームの素材も木製かアクリル製が選べ、アクリルも色や透明色が選択できる。レーザーは200mWが基本でオプションで500mWが選択可能。

木製素材は最初にヤスリ掛けをしないといけないらしく、組立も接着剤を付けて乾いて固定してから段階的にのんびり組み上げていく必要があるらしい事もあり黒アクリルを選択した。レーザーは当然高出力の500mW。

支払はPaypalが使える。littleboxホームページ上で購入する際、ページ上にあるCurrencyでポンドやドル等の通貨を切り替える事が出来るが、ポンドを選択してからPaypalを通した場合とドルを選択してからPaypalを通した場合では最終的な支払円が1000円程違っていた(筆者購入時はポンド選択時ドルより1000円程安かった)。

配送はえげれすRoyal Mail。数週間もあれば多分届くだろう。

注文後、別売りでレーザーから目を守るカバーも売られているのを見つけたので、追加で注文した(カバー無しの場合Class 3B laserなのでかならず専用色眼鏡をかける必要がある)。

しかし、MicroSliceはkickstarterで最初(?)に登場した廉価なレーザー加工機と言う事もあり各所で注目を浴びたのだが、その後の実際の製品レビューやビデオが殆ど見つからない。まだまだ興味はあるものの実際に手を出すまではいかない分野なのだろうか。

さて、Kickstarter系で物が届いた場合パーツで届いて自分で物をくみ上げる必要があるものが割とあるのだが、事前にMicroSliceの組立説明書を呼んでいると配線端子のコネクター部分もパーツで届き、自分で圧着して作る必要があるらしい事が分かった。

パーツリストにはDupont Housingと書かれており、PC系のコネクタでは一般的な物ではあるが調べてもDupontの圧着工具が国内で見つからない(Aliexpressがやたらヒットする)。無い筈はないので色々調べていると、国内工具ではEngineerのPA-20が使える事が分かった。

エンジニア 精密圧着ペンチ PA-20
エンジニア 精密圧着ペンチ PA-20

ついでにワイヤーストリッパーも購入。

VESSEL ワイヤーストリッパー No.3500E-2
VESSEL ワイヤーストリッパー No.3500E-2

本体駆動用に12V3A アダプタ口5.5mm(内径2.1mm)のACアダプターも必要と書いてあったので、こちらも購入。

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本体は発注から一週間ぐらいして発送されたが、カバーは注文翌日に発送され6日程度で到着。思ったよりスムーズに届いた。

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割と綺麗な状態で届いた。

開封。

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まだ本体が届いていないが、とりあえずカバーの方を組み上げてしまおう。

カバーも黒アクリルを選択。まずは保護シートを剥がしていく。

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背面と前面部分のみ「INSIDE」の文字が書かれている。この文字もしっかり刻印されているので、保護シートを剥がしても分からなくなる事はない。

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仮配置。

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コーナー用のパーツがあるので、これを角に付けてフレームをくみ上げる。

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フレームの固定には接着剤を使うが、アクリルといえばアクリサンデー。これでしょう。

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アクリサンデーはそれ自体は粘着力は無く、アクリルを溶かしてくっつける溶剤接着である。アクリルを貼り合わせ、隙間に注入すると接着面のアクリルが溶けてくっつく。素材を利用するので、仕上がりが綺麗で速く、強力に固定される。注入器も付属しているが、使い辛いので筆者はホビー用インジェクターを使っている。

インジェクター 1・2.5・5ml 3個セット (TM-20)
インジェクター 1・2.5・5ml 3個セット (TM-20)

フレームを合わせた状態で隙間にアクリサンデーを流し込んでいく。数十秒もすれば固定される。

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注入しすぎると余分な部分までアクリルが溶けてしまうので注意。その場合はサンエーパールで磨こう。

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 外フレーム完成。

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次に、レーザーから目を守るためのグリーンシートを取り付ける。シートはペラペラでロール状になって入っていた。

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これを内側用フレームに合わせて切っていく。

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角はかどまるを使うと綺麗に丸くカット出来る。

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シートが切れたら、ネジ穴の部分に穴を空ける。ネジ穴を合わせ、油性ペンでしるしを付ける。

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最初ポンチを使おうと思ったが、上手く穴が開かなかった。

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一穴パンチを使うと綺麗に穴を開ける事が出来た。

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穴の部分は隠れるので、カッターで切り抜いても見栄え上変わらない。

次に、フレームにネジを止めるためのパーツをはめ込んでいく。説明ではハンマーでとあったが、なかなか固い上アクリルの場合割ってしまう危険性もある。

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挟む部分が樹脂のソフトプライヤーがあったので、これで挟む事で楽に綺麗に押し込む事が出来た。

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全ての穴にネジ受けをはめこんでいく。

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ネジ受けがつけ終わったら、切り抜いたグリーンシートを外フレームとの間に挟み、ネジで固定する。

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これを後ろ以外すべての面に行う。

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背面に空冷吸気用のファンを取り付けるためのケーブル通しを取り付ける。

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背面もグリーンシートを切り抜き内フレームで固定する。

DSC02266

ファンの部分のグリーンシートをカッターで切り抜く。

DSC02267

ファンを取り付けるのだが、ファンのケーブルにコネクターを付ける必要がある。ここでケーブルストリッパーと圧着工具を使用する。

ストリッパーはケーブルの外側のゴムのみ剥くのに使う。使用したのは0.3mm。

DSC02234

剥いた後、圧着工具に金具を挟み、剥いたケーブルを通してギュッと握り金具とケーブルを付ける。使用したのは1.6mm。

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圧着後、コネクターの樹脂にはめ込む。ケーブルの位置に注意。

DSC02269

ファン延長用ケーブルも同様に金具をかしめる。

IMGP2122

説明書では ファン-オス-メス-ケーブル-オス(剥き出し、本体側コネクタにはめ込む)となっているが、良く読まずにファン側をメスにしてしまった。まぁ、問題は無いが本体組立時には気を付けなければ。

圧着時、ケーブルの剥いた部分のみ金具で固定してしまったが、正しくは外側を被覆部分で固定、内側を導線で固定(2回かしめる)する。

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電子工作を良くやる人には常識だろうが、筆者の様に良く説明を読まずにやると失敗する。本体より先にカバーで練習しておいて良かった。

ファンをねじ止めし、ケーブルを通す。

DSC02270

これでカバーは完成。

IMGP2124

本体パーツの到着が楽しみである。

エンジニア 精密圧着ペンチ PA-20
エンジニア 精密圧着ペンチ PA-20

VESSEL ワイヤーストリッパー No.3500E-2
VESSEL ワイヤーストリッパー No.3500E-2

アクリサンデー アクリル専用接着剤
アクリサンデー アクリル専用接着剤

インジェクター 1・2.5・5ml 3個セット (TM-20)
インジェクター 1・2.5・5ml 3個セット (TM-20)

コクヨ 1穴パンチ 青 PN-10B
コクヨ 1穴パンチ 青 PN-10B

サンスター文具 かどまるPRO S4765036
サンスター文具 かどまるPRO S4765036

オルファ リミテッドMA LTD-04
オルファ リミテッドMA LTD-04

OLFA カッターマット A3 135B
OLFA カッターマット A3 135B

IPS ソフトタッチコンビプライヤー 200mm PH-200
IPS ソフトタッチコンビプライヤー 200mm PH-200

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レーザー加工機 MicroSlice できるかな Part 1」 に6件のコメント

  1. A2C より:

    はじめまして!私はKickstarterでのV2.0にAnalog Laser Driverと500mW Laserを追加したクチです。
    当方では各ベアリングのガタツキやX軸のベルトたわみ対策をしています。Y軸はこれからです。
    ベクタモードでは線画を彫っても殆ど気になりませんが、Pic Laser Liteの出力データ利用のラスタモードでは特に細線で白黒のコントラスト差がある箇所で再現度100%で二重線が出ます。
    GRBL0.8 laserでも、0.9g自前改造版でも仕上がりに顕著な差は無さそうです。
    年末にゆっくり解析しようかな、と思っていました。

  2. ねふぁ より:

    >A2Cさん

    A2Cさんも購入されたんですね。今組立記事書いていますが難易度的にはどんなレベルに感じられましたか?

    二重線ですが、下記フォーラムは見られましたでしょうか?(それともそこからここに飛んできた?)

    thelittlebox.co/theforum/viewtopic.php?f=8&t=167

    最終的に画像データは余分なデータと逆方向のデータを削る事で落ち着きました。また記事あげますが、仕上がりも良いです。後日記事でデータ調整用のソフトとソース公開する予定ですので気が向いたら使ってみて下さい。ベクタモードはまた時間が出来たらGRBLのソースを解析してみたいなと思っています。

    • A2C より:

      > 難易度的にはどんなレベルに感じられましたか?

      V2.0での組み立てはアクリル素材版でのんびりプラモデル感覚で楽しみました。プラモ好きでない場合は途中で手が止まるかも知れませんね。

      取説は配線引き回しが綺麗に仕上がる記述が良かったです。取説冒頭の記述通りフォーラムでのサポート前提なのでしょうが、間違いや不足があり、ボードやパーツのピンアサインを見て判断出来る人向けに思います。

      またレーザーモジュール回りの説明が不足しているように感じました。当初ドライバ出力値を指定の値手前で設定していましたが、見事にLEDを駄目にしました。

      >下記フォーラムは見られましたでしょうか?

      フォーラムで特徴のあるIDだったのでWEB検索を掛けて飛んできました!

      >最終的に画像データは余分なデータと逆方向のデータを削る事で落ち着きました。

      ラスタモード:

      私の方でもAnalog改造の後に最低値の連続データを間引くツールを作りました。45度を止めればXY解像度が単純化すると思います。

      仕上がり具合が実際に彫刻しないと分からないのが気になっています。
      Excel上でPic Laser LiteのZ値出力やXY座標を再現できたので、そのうちプレビューを含めたツールを自作しようと思います。

      ベクタモード:

      Inkscapeのプラグインでは思った彫刻ができないため、CNC用ソフトで彫刻用設定で出力し、
      Gコードのツール移動時のZ座標を単純にM03/M05に置換して使用しています。

      SW切り換えが面倒なのとレーザー出力値を任意指定したかったため、GRBL 0.9gベースに$L0/$L1とベクタモード+出力値指定の$L2を実装使用しています。

      • ねふぁ より:

        結構コードのカスタマイズとかもして使いこなされてるんですね。他にもCNCの工作機械を触られているのでしょうか?

        Grblのコードを触ろうとしていますが、まだ0.9gのマスタソースをダウンロードしてきてMicroSlice用にコンパイルするために何処を修正しないといけないのか調べている段階です。ArduinoやGcode自体もまだ理解不足で勉強中です。

        確かにスイッチの切り替えは面倒ですね。ソフト的に出来そうなのにわざわざハード的なスイッチを設けているのは何故だろう?と思っていました。たまにスイッチ切り替え忘れてレーザーが明後日の方向に走る事があります。

        • A2C より:

          >他にもCNCの工作機械を触られているのでしょうか?

          アルミフレームやアルミ板で構成されたCNCをUSBCNC制御で使用しています。台形ネジ2mmピッチで剛性重視で加工面積は狭く重量があります。

          類似機構では3DプリンタのPortabee Goを使用しています。折りたためる故に構造上安定しない箇所があり安定動作に一苦労です。ノズル径を0.4mmにすれば品質改善しそうに思います。

          >Grblのコードを触ろうとしていますが
          >ハード的なスイッチを設けているのは何故

          スイッチはV2.1までとのピン互換性のためでしょうね。

          V2.1まではベクタモードのみで、pin12にドライバ種別によってドライバ直接又はリレー+ドライバを接続してM03/M05でON/OFFしています。公式GRBLソースでZ軸を無効化し設定値をGUIで変更していました。

          一方ラスタモードはTimerをPWMモードに設定し、$L1でレーザーモードONになっている間に渡されたZ値を255までの整数に丸めてpin11にPWM出力します。alsliahona氏のGitHubのLaseMode branchのコードが元かと思います。

          GRBL0.9ではGRBL0.8の時よりモーションロジックが刷新され、それに伴い設定値も変わっていますね。

          • ねふぁ より:

            GRBL 0.9gのソースに0.8lasermodeと0.8の差分を参考に修正を加えてみていますが、とりあえず$Hだけ動いて他がまだ全然です(^-^;;;;; 理解してまともに動かせる様になるまでしばらくかかりそうです。

            3Dプリンターも興味あるのですがまだもう少し様子見・・・。ダヴィンチ1.0Aがどれくらい出力綺麗になっているのか気になっているんですけどね。

            加工機は楽しいのですが場所も費用もかかるのが難点。

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