ヤフオクで落として綺麗に磨き上げたSeiko製機械式ストップウォッチであるが、機械式であるためクオーツの様な正確さが無い。特に、40~50年前の古いものなので、手で調整をしてやらないといけない。時間のずれを調整(校正)する事を歩度調整と言うらしい。
とりあえず手軽に出来る調整として、手元のデジタル時計のストップウォッチと同時にスタート、15分ぐらい経過後秒針とデジタルを同時ににらめっこしつつずれを調整してみた。
ある程度はこれで調整出来るが、さすがに微調整して15分計測してまた調整して・・・は時間がかかって大変だし、あまり正確ではない。
もっと正確に調整出来る方法はないかと調べていた所、機械式時計の歩度調整として有名らしいPC用フリーウェアのびぶ郎と言うのを見つけた。パソコンにマイクを繋ぎ、マイクで機械のチクタク音を拾い、そのチクタクの周期で時計のずれを表示してくれると言う優れた代物だ。
機械式腕時計のチクタク音をマイクで集音するにはアンプやらなにやらが必要らしいが、機械式ストップウォッチは結構大きな音が出るので、手持ちのマイクで出来るかもしれないと思いやってみた。
まず、ソフトをダウンロード。
とけい屋de道具.jp びぶ郎ダウンロードページ
http://tokeiyade.michikusa.jp/download.html
マイクを繋ぎ、ダウンロードしたソフトを実行。マイクの入力は目いっぱい上げておく(デバイスによりブースト設定は無いかもしれない)。筆者の環境はWindows 8 x64だが、問題無く動作した。サウンドも、マザーボードのオンボードである。
マイクは以前ICレコーダー用に購入したSony製ECM-E10と言うもの。線が1mあるのでデスクトップPCの裏側から問題無く引き回せ、マイクに付けられるクリップに足が付いており、足を引き出すと自立する便利なヤツである。
これを機械式ストップウォッチの駆動部そばに置いてびぶ郎を見てみる。
すると、びぶ郎が自動的にチクタク音を拾い周期を計算し、ずれを表示する。点が右下がりになっていると時計が遅れていると言う事になる。
ばっちりではないか。びぶ郎はリアルタイムで表示するので、画面を見ながらピンセットで調整。
ずれが補正され、かなり正確になった。普段筆者は何十分も計測しないので、十分な精度だろう。
ついでに88-5061の方も調整。
マイクを左手で持ちながら右手で調整。この様な事が出来るなんて素晴らしい世の中である。
普段ズレを調べる場合、裏蓋を外さずともストップウォッチを立てて裏側の音が良く出ている部分にマイクをあてても問題無く計測出来た。
なんだかマイクが聴診器の様に見える。
機械式ストップウォッチ、磨いて綺麗にして手で歩度調整して、なんだか楽しい世界である。あまりはまり過ぎないように気をつけておこう・・・。