2台目のデルタ型3Dプリンターを注文した業者の商品説明ページには3タイプの商品が書かれており、それぞれで上下駆動部(キャリア)の方式が異なっていた。
一番安価な樹脂ベアリングタイプのもの、次にリニアベアリング使用タイプ、一番高価なリニアガイドタイプのもの。それぞれで$50ずつ高くなっている。よく見ると商品写真はこの3タイプの違いのものが写っている。これに気付いたのはベアリングタイプ発注後だった。
高いものほど上下移動の精度が上がり、造形精度に繋がるらしい。
しかし、同じ業者のストア内を探してみてもベアリングタイプの商品しか見つからず、リニアベアリングやリニアガイドの商品は出てこない。xc3dmakerと言うタイトルの製品だとリニアガイドだが、型はKossel K800より古い様だ。
業者に質問を投げてみた(質問と回答は英文)。
「幾つか質問があります。
1.xc3dmakerと2015 delta 3dで何が違うのでしょうか?どちらの方が良いのでしょうか?
2.2015 delta 3dのリニアガイド版の商品がストアに見つからないのですが、存在するのでしょうか?
3.既に2015 delta 3dのベアリング版を発注済みなのですが、リニアガイドへのアップグレードキットの販売は予定されていないでしょうか?または、リニアガイドへアップグレードするために必要なパーツは個別販売されていないでしょうか?」
そして返ってきた回答が
「2015。新しい方が良いよ。」
・・・まぁ、なかなか質問に回答が来ない業者が多数いる中、回答が来ただけでも良しとしよう。
ちなみに同じ業者に商品到着後説明関連が無かったので投げた質問。
「商品本日到着しましたが、幾つか欠けている気がします。
・Micro SDカード(メディア自体は無くても良いのですが、組立説明書とソフトウェアの提供をお願いします)
・LCDカバー(商品に含まれるのでしょうか?)
・メインボードホルダー(説明書が無いため欠けているのか分かりませんが、パーツを見る限りではメインボードを本体に固定するパーツが無い様に思えます)」
結果、回答無し。改めて質問を投げた。
「組立説明書とソフトウェアを下さい。」
と、すぐにソフトウェアや資料(中国語)が置かれたBaiduのURLと組立動画(中国語)のyoukuのURLが送られてきた。
ここで改めてAliexpressで質問する際に守るべきルールを再認識する。
上手な英語で丁寧に回答してくれる業者もたまにいるが、多くは回答しないかあまり英語が得意ではなさそうなので、質問やお願いをする際には簡単・簡潔に一つずつ質問を投げた方が回答を得られ易い。
さておき、ある程度3Dプリンターが動く様になってきたので、駆動部のリニアガイドへの換装が気になってきたが、何が必要なのかがさっぱり分からない。おそらくリニアガイド3つを購入し、スライダー(レール上で動くパーツ)とロッドをつなぐパーツをどこかからデータを落としてきて印刷して繋げば動く気がする。
ええぃ、なんとかなるだろうと、とりあえずAliexpressで3本セットで安い業者からリニアガイドを発注。
早く遊びたかったのでems指定で約$87。そして一週間程で到着。
相変わらずのテープ梱包(税関の仕業とは思うが)。開封。
油まみれ。
スライダーを動かしてみると、まぁ、中華クオリティ。悪くはないが所々で少し引っかかる感じがする。とりあえず5-56をスプレーしておく。
スライダーはレールから簡単に外れてしまうので注意。そのまま戻せば問題ないが、油断するとスライダーのベアリングボールがぽろぽろ落ちてしまう(最初は5-56スプレー時に風圧で飛んだ)。
万が一ベアリングボールを落としても慌てない。どこの家庭にでもあるビーズ用ピンセット(先端に窪みがある)でつまんで戻せばよい。
と言うか、指でつまんで戻しても簡単に戻った。せっかく工具好きでピンセット類も大好きであまり使わないが購入しておいたビーズ用ピンセット活躍の場がようやく来た!と思ったのに。
Thingiverseでスライダーに取り付けるパーツを検索すると幾つか出てきたので、下記パーツを印刷。
http://www.thingiverse.com/thing:263205
が、失敗。ネジ穴が合わない(商品到着前に見切りで印刷していたので3つ無駄なパーツを作ってしまった)。
改めてThingiverseで探しなおし、下記パーツを印刷。
http://www.thingiverse.com/thing:858871
今度はOK。ばっちりだ。エンドスイッチ用の調整ネジ穴もある。
取り付け用のネジが無いので、近くのホームセンターで適当にネジを物色してきた。
合いそうなネジと、ついでに今後使いそうなネジも多数購入してきたのでネジだけで合計約3800円。ネジだけで約4000円近い買い物ってなんやねん。六角ネジは袋入りが無かったのでバラ(一本11円~15円)で購入、上記写真はあまりなさそうに見えるが、M3とM4の8mm~25mm合計120本程ある。
プリントしたキャリアはロッドを止めるナットが後から締めにくいモデルなので、ナットは先に瞬間接着剤で止めておいた。
スライダーへ取り付け。
既存のキャリアを取り外し、リニアガイドをビームに取り付ける。
購入したリニアガイドのネジ穴はM3しか通らないが、ビームの受け側ナットはM4サイズでないと止まらない。M3ナットとワッシャーを合わせても、すぐに外れてしまう。
M3ネジとM3ナット、M4用ワッシャーを組み合わせる事でなんとか止める事が出来た。
GT2ベルトとロッドを付け直せば取り付けは完了。
後は再度面倒なZ位置や水平調整をやり直し。
いざ、造形開始!と造形を始めた所、問題が発覚。
デルタ型プリンターの造形高さが30cm程度なので、40cmのリニアガイド買っとけば問題ないだろうと思っていたのだが、ホットエンドが支柱と対角となる位置に移動した際に、スライダーがレールから少しはみ出てしまう。スライダーは落ちず動きに問題はなかったが、はみ出て戻る際にベアリングボールが落ちたりしたら面倒である。ホットエンドの移動高さは30cmでも、キャリアの移動距離は40cm近くになるのか。50cmタイプを購入すべきだった。
まぁ、30cm高さの造形をする事は今のところ予定無いので、リミットスイッチとリニアガイド全体を4cm程下げて対応する事とする。
これでリニアガイド化完了!
さて、効果の程は!と言うと・・・正直違いが良く分からない(;・∀・)
元々樹脂ベアリングでの造形も綺麗に出ていたので、リニアガイドに変えても差が分からない。
よって、
リニアガイドへの換装による効果=自己満足
程度であった。ううむ。
つまらん。
ので、次回はLCDディスプレイの交換に挑む。